肥満対策について

肥満が続いていると、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、虚血性心疾患、脳血管障害、脂肪肝、整形外科疾患などが加わることが多いため、健康な生活を過ごすには適正な体重を続けることが必要になります。

 

適正体重

 肥満とは脂肪組織が過剰に蓄積した状態と定義され、日本肥満学会は肥満指標として体重(kg)÷身長÷身長(m)=(BMI)を提唱しています。この計算式で基準値が22で、25以上を肥満としています。例えば160cm、56kgの人は56÷1.6÷1.6で21.9となります。160㎝の人が64kgになると64÷1.6÷1.6でBMIが25ですから、64kgが上限ということになります。
 最近、厚生労働省がメタボリック症候群のチェックのために、臍の高さでの腹囲を測定し、男性は85㎝以下、女性は90㎝以下が望ましいとしています。

 

リバウンド

リンゴダイエットとかバナナダイエットなどで過度に摂食抑制していて体重が減少した場合は栄養のバランスが乱れてしまうため、タンパク質と脂肪が減ってしまいます。その後、反動で食べ過ぎが続いて体重が増えたときには脂肪だけが増えるのです。その結果、体脂肪率が増えてしまいますから、リバウンドの予防が必要です。

 

ストレス解消法

 ストレス発散のためにケーキ、アルコール、ディナーなどの飲食に走っている人も多いようですが、世の中の楽しみは食以外にもあると気付くことが大切です。ストレス発散には、運動、音楽鑑賞、読書、旅行、毎日の散歩などもあります。

 

運動療法

 運動をしても消費カロリーは意外に少なくてがっかりするのですが、食事療法と併用することで筋肉の減少を防げます。運動による消費カロリーは少ないのですが、インスリン抵抗性の改善などの効果があり、生活習慣病の改善も期待できます。運動の種類はウオーキングや水泳などの全身の筋肉を用いる有酸素運動が適しています。また、太陽に当たることによって日内リズムのメリハリがつく、風邪を引きにくくなる、ビタミンDが増えて骨粗鬆症の予防になるなどのメリットも十分にあります。自宅などにメーター付きの自転車を置いて自転車を漕ぐ運動や水泳は特に膝関節の負担を軽くするため肥満者に適しています。運動時間は1日20~40分、週3-4回行うのが好ましいとされています。運動習慣がなかった人は無理をせず徐々に増やすことが大事です。強い運動は狭心症、不整脈、膝関節症などに望ましくない影響を与えることがありますから、最初に主治医の診察を受けて運動療法の許可をもらって下さい。

 

肥満予防の食事

肥満対策は食事の摂取量と消費量の収支を負に傾けることが原則です。要するに、消費カロリーより摂取カロリーが少ない状態を続ければよいのです。
 減量は月に2〜3kgを目標にします。エネルギーは制限しても最低1.0g/kgの蛋白質、十分なビタミン、ミネラルが必要であり、空腹感を防ぐために食物繊維を十分に摂るようにします。

 

栄養のバランス

 食生活は栄養素を中心に摂取しているわけではありません。摂取しているのは食品であり、食生活の楽しみは食品の組合せで如何に栄養素を補い、楽しく美味しく食べられるかに掛かっています。多彩な食品を用いて主食を一定量摂り、主菜、副菜、汁はなるべく他種類のものを取り合わせて栄養素のバランスを取ることが大切です。味、硬さ、色、温度など料理面でのバランスも考慮しましょう。懐石料理のように素敵な小皿に分けて食べるのも食事の量を増やさずに楽しめると思います。御菓子や煎餅などは間食ではなく、食後のデザートにするのがお勧めです。

 

食生活のリズム

 食生活リズム(食のリズム、食事の偏り、食べ方)をチェックしましょう。食行動を自覚し改善することは健康管理上とても大切なことです。

 

朝食

 朝食を食べないのが習慣と言う人は、夜30分早く寝て、朝30分早く起きて食事をして下さい。朝食のエネルギーで午前中の仕事をこなしましょう。朝起きても食欲がないのは、前夜の夜更かし、夜食、飲み過ぎ、遅い夕食をタップリ食べるなどが要因として考えられます。

 

昼食

 昼食のエネルギーで午後の仕事やスポーツを楽しみます。午後から夕方にかけては運動量も多いので、多少多めに食べても大丈夫だと思います。

 

夕食

 夕食はなるべく控えめにしましょう。特に遅い食事は寝るだけのエネルギーがあれば良いので少なくてよいのです。夜寝る前に満腹になってしまうと、食物や胃液が食道に逆流して逆流性食道炎を引き起こしてしまいます。夕食は軽く食べて1~2時間して蠕動運動で胃の中が空になってから寝ると腹部の不快な症状が起こらずに熟眠できるはずです。

 

外食

 外食は自分の好きな食事がとれる店に入り、好きなものだけを食べることになり勝ちです。外食は油や塩分が多く高カロリーになるので、油を使った料理は1品だけにし、意識して薄味で、野菜中心の食品も注文することが必要です。和食、洋食、中華の店を順番に廻って、2〜3日の平均で栄養のバランスが取れていればよいと気楽に考えましょう。

 

夕食豪華主義

 夕食重点主義の場合は健康によくありません。朝はパンとコーヒー、昼はザル蕎麦、またはラーメンなど単品メニューで済ませ、その代わり、夕飯は酒を飲みながら肉や魚などをメインの豪華な主菜を3~4品食べていると肥満、脂質異常症、高尿酸血症などが進行してしまい、どうしてお腹が小さくならないのだろうと悩むことになりがちです。また、宴会などで食べ過ぎ・飲み過ぎをした場合、翌日、場合によってはその後2日間を粗食にすれば辻褄が合うと考えてください。

 

アルコール

アルコールは対人関係の潤滑油としても働き、1日の疲れを癒すという作用もあります。アルコール自身にカロリーもあるのですが、食欲増進剤としても作用します。自分ではアルコール量が多くないとか、若い時より少ない量なのになどと思っていてもγ-GTPが高くなってしまった場合は、今までのアルコールで肝臓が障害を受けてしまったためですから、正常化するまでは禁酒するのが望ましいと思います。

 

インスタント食品

いつもインスタントカップ麺、アルミ容器入りのゼリー状飲料、サプリメントを食事代わりにしているというのは健康的とは言えないでしょう。バランスが取れて、見た目も綺麗で美味しい食事をすることは、心も豊かになり、ストレス予防にもなります。