交通事故や墜落事故などの場合に重要なことは、受傷者が脳の損傷を受けているかどうかで、損傷を受けている場合は頭痛、嘔吐、運動麻痺、知覚障害、言語障害などから始まり、進行すると意識消失、けいれん発作などが出現し、放置しておけば最終的には死に至ります。大声で呼んだり、抓(つね)ったりしても何の反応がなければ、意識がないと判断します。液体(脳脊髄液)が耳や鼻などから流れ出る場合は頭蓋底が骨折していることを示していますから、生命の危機が迫っています。頭部外傷の場合は頚椎も損傷している可能性もあるので、受傷者を不用意に動かさないように注意して下さい。

 嘔吐しそうになったら、すぐに顔を横に向けて、吐物が咽喉に詰らないようにする必要があります。意識がはっきりしていて、手足の運動・知覚、頚部の痛みなどを確認し、問題がなければそのまま経過を見ますが、異常な所見がある場合は、動かさないですぐに救急車を呼んで下さい。

 中高齢者の場合は硬膜下血腫が起こることがあります。頭蓋骨にひびが入り、頭蓋骨の内側を走っている血管が破れて硬膜下に徐々に血腫が出来て脳を圧迫することによって比較的急速に認知障害などの症状が出てくるのですが、本人は頭を打ったことを覚えていないこともあるので、CTスキャンなどで確認をする必要があります。硬膜下血腫は頭蓋骨に小さな穴を開けて血液の塊を吸引すると脳の圧迫がなくなって神経症状が改善します。

 発熱が続いて原因がはっきりしない場合は小児科、内科を受診して下さい。