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 ■ トルコ紀行

■ブルー・モスク
    (林 泰 撮影)

 
大きな天井のドームと6本の尖塔がひときわ人目を引く。重厚なその姿は、オスマン建築の傑作の一つとされている。
 ■ シルクロード


  イスタンブールは東と西、イスラム教とキリスト教、聖と俗が交じり合う不思議な場所という印象でした。街角のカフェで赤ワインを傾けていると、コーランが響いてきました。エジプトでは決められた時間になると、皆がメッカの方向へ向かってお祈りをしていたのですが、この街ではコーランを聞き流しているだけで、メッカのほうに向いて集団で礼拝をするという風景は見られませんでした。

 ■ トプカプ宮殿


 ここはオスマントルコの代々のスルタンの居城でした。外的に一度も侵入されたことが無いということで、宝物殿は金銀財宝の山でした。特に吃驚したのは赤ちゃんを乗せる小さな乳母車にまで装飾していたことです。
 一番奥の宝物殿で特に目を引くのが八十六カラットの大きなダイヤを四十九個のダイヤで取り囲んだ”スプーン屋のダイアモンド”とか、深い緑色が大変美しい重さ3kgで世界最大といわれるエメラルド等でした。
 宝物殿の奥のほうに広い敷地を持ったハーレムがありましたが、修理中とかで見学できませんでした。イタリア在住の歴史研究家、塩野七生さんが書いたものを読みますと、そこに囲われていた女性たちの人生は惨めだったようです。奴隷として三百名以上の美女たちがあちこちから集められて集団生活していたのですが、幸運にスルタンの目に留まって一夜を共にした時、子を宿さなかったらもう一生声がかかることなくその中で生活しなければならなかったというのです。

 ■ ブルー・モスク(掲載写真)

 
  スルタン・アフメット・ジャーミイは内側の回廊を埋め尽くすブルーのタイルから通称ブルー・モスクと呼ばれていますが、見上げるとそこにはあらゆる種類の「青」がありました。緑に近い明るい青、深い群青色、明るい空色等です。床を埋め尽くした絨毯にはメッカのほうを向いた正面に向かって一人一人の区分が仕切ってありました。男性は一階の床でお祈りをするのですが、女性は天井座席です。なぜそうしたかというと、お祈りをするのに男女一緒だと女性のお尻が顔の前に来てしまうのでいけないのだという説明でした。このブルー・モスクは大きな何重にも重なったドウームと、六本の尖塔などがあり世界最大ですが、これを作った後オスマントルコが衰退してしまったということでした。
 

 ■ 地下宮殿

 
 地下宮殿は大きな人造大貯水池で、四世紀、コンスタンティヌス帝からユスティニアヌス帝の時代に作られたとのことです。薄暗い宮殿の一番奥の特に太い柱の根元にカプート・メドゥーサが二基あるのです。その顔が一基は真横になり、もう一基は天地逆になっていて中世トルコ人のユーモアが感じられました。メドゥーサはギリシャ神話の神様で、彼女を見たものはたちまち石にされてしまうとか・・・・・私は内科診断学で肝硬変のときに臍を中心として現れる静脈癌をカプート・メドゥーサと習った覚えがあり、ちょっと懐かしい思いをしました。
 

 ■ トルコの印象


 街を歩いていてホテルなどの場所を尋ねると、途中まで送ってきてくれて道順を説明されることを何度か体験しました。本当に親切な人たちという印象です。国の財政が緊迫しているというのですが、一般市民はどこ吹く風という生活をしています。知日的な国民ですから、今後、より親密になれればよいと思った旅でした。
 

 

 

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